2005年4月26日
                            
今まで見ていてくれたみなさまへ。

物語の途中ですが続けて行くことが困難になって参りました。
今までこんなありがちな話に付き合ってくれてありがとうございました。

強い日差し

2004年11月16日
日傘を通り抜けるような
照りつける太陽の下、私は職場に向かった。

いつもの時間のいつもの仕事。

早く、彼に逢いたい。

彼に話せることなんて何もないはずなのに。

排気ガスの中で

2004年11月15日
一通り話を終らせ、
旦那の話を中心に聴取することを伝えられ
次回の調停の予約を取る。

一通り終えた安心感と
これから仕事に出る気持ちの切り替えとで
携帯電話を手に取った。

出なくてもいいと思っていたのに
彼は意外にも早く電話に出た。

聞きなれた声が小さな電話から聞こえてきて
なんともいえない心地よさが広がった。

私はきっと正しい選択をしたのだ、と。

刺さる視線

2004年11月14日
待合室の空気に耐え切れず
廊下をフラフラ歩いたり、窓の外を見てみたり
私は落ちつかない自分をなんとかなだめようとしていた。

優しそうな顔をした年配の男性が私を呼びに来た。
優しそうと言えば聞こえがいいが
頼りなげな初老の男性だった。

調停室、と書かれた
無機質なドアを開けるとそこには二人の女性が座っていた。
一人は若い女性、もう一人は・・・
仕切りたがりのおしゃべりなおばさんのような風貌だった。

若い女性は書記官のようで
私の話にいちいちうなずきながらメモをとっている。
もう一人の女性の意地悪な質問に
私は必死に感情を押し殺して返事をしていた。

あなた、職場はどこ?
あなたも有名な会社にお勤めで、ご主人も固いお仕事なのね。
収入はどれくらいなの?

などと、興味本位で近所のおばさんに
詮索されているような気がして悔しくて涙が出た。

でも顔はまっすぐ前を向いて話した。
それが私なりの意地だった。

人間模様

2004年11月13日
調停初日、
待合室のようなところに通される。

ここは調停を申し立てた人と
その相手の人が直接その時まで
顔を極力合わせない様に
フロアのはじとはじに位置していた。

弁護士と来ている人、
娘と来ている人、
そして私と同じように一人うつむく人、
平日の午前中だというのに
こんなにたくさんの人がいる。

こんなヒドイことをされた、と
涙ながらに話している人もいる。

私は一体旦那に何をされたんだろう、
こんなに意地になっていて
私は一体何が望みなんだろう、
いろんな想いが交錯する。

そして遠い空の向こうで
旦那は一体どんな気持ちでいるのだろう。

弱気になってはいけない、
私はこれから戦わなければならないのだから。

不参加

2004年11月11日
事前に調停に出られない旨の連絡を
旦那からは受けていた。

もちろん来られるはずもなく
私は裁判所に問い合わせをした。

相手がいない場合の調停はどうなるのか?

相手がこれない場合、調停は不成立。
このまま出頭しない日が続けば調停自体不成立となり、
もちろん離婚の話も流れてしまう。

とにかく私の話を詳しく聞きたいというので
私だけ出頭することになる。

本当に、これでよかったのだろうか。

そらみみ

2004年11月10日
久しぶりの職場
不慣れな分野の指導、
そして私に求められる先輩としての資質。

私の心は少しずつ疲れていき
仕事のことも家のことも
彼のことも旦那のことも
ほとんど考えられない状況が続いた。

彼に逢っても心のどこかに旦那の影が残る。

家に戻れば旦那のあの音が聞こえる。

入浴中でも戸を開ければそこに旦那がいるようで
眠っていても目を開ければそこに旦那がいるようで
毎日追い詰められた状態が続く。

いつもの毎日。

2004年11月8日
いつもの毎日が始まった。
朝から終業まであわただしい時間が過ぎていく。

松川さんの代わりに入ってきた
私より少し年上の後輩にあたる人。
一体どんな人なのだろうと
探るような毎日。

真っ暗な家に帰る毎日。
満員電車に揺られる毎日。

そして

誰もいないはずなのに
旦那のあのクセの音が聞こえる、
そんな気がして眠れない毎日が続いた。

方便

2004年11月5日
「ま、まあアレだ。
本人が辞めたくないと言っている以上は
会社としても無理に解雇することはできない。
実際に会社に不利益を与えたわけでもないわけだし・・・」
と、言葉を濁す支店長。

「私も今回のことではみなさまに多大なご迷惑をかけたことは
わかっているつもりです。
ですが、支店長のおっしゃっていることと
主人の言っていることがあまりにも違いすぎます。
私はどちらが正しいとか、正しくないとか
今さら言及するつもりはありません。
今日のことも、支店長のおっしゃる通り
社会人としての配慮が少し欠如していたかも知れません。」と、
まっすぐ視線をそらさずに言い放った。

「そ、そうか。ま、わかればいいんだ。
とりあえずタイムカードも押したことだし仕事も一件片付けたようだからな。
今日からまた一生懸命頼むよ。」と
引きつりながら私に言った。

モメゴトを嫌い、私を追い出そうとした会社が
私を追い出すことによって新たなモメゴトが生まれる。
そう直感しての決断だったと思う。

この上司、会社の体質、
もう、何も未練はない。

   

2004年11月4日
ひみつあります。

仕返し

2004年11月4日
「解雇に当たると言われればそうかもしれません。
そうではないと言われればそうかもしれません。
風紀や秩序というものは人それぞれの主観で決まるものだと
そう思っておりますので、私からは何も言うことはありません。
会社としてはどうお考えなのでしょうか?
私は会社の判断に従います。」と
見えないところで手に力をいれ、痛いほど握り締めた。

思いのほか冷静な私に驚いた支店長の表情が
一瞬緩んだのを私は見逃さなかった。

−説き伏せられる−

そう確信したその瞬間から
私にも相手の出方が手に取るようにわかる。

言いたいことを言うのは今しかない。
私が私を守るために。

常識、非常識

2004年11月3日
初めて見る顔だった。
多分怒りに紅潮していたのだろう。
私の姿を見るなり強い口調で促される。
「早く!何やってたんだ?今まで!」

瞬時に私の中で警告灯が点いた。
怒りに対して心を乱してはいけない。
相手の言い分をまず吐き出させ、冷静に相手の言いたいことを受け止める。
違和感があってもその時は反論しない。
相手が落ち着くのを待ち、話を聞く体勢になるまで
口をつぐもうと判断した。

「勝手に会社に来てなんだ!一体!電話しろと言ったはずだ!
それに今まで仕事してたってなんだ!常識がなさすぎる!
お前の考える常識とはなんだ!上司もそのまま仕事させたのか!
責任者をここに呼ぶ!いいから黙ってろ!」と
私のフロアの上司が呼び出された。

「え?私、彼女から仕事してもいいって聞いてましたけど?」
と、上司もその場から逃げた。

「もういい!じゃあもう君は仕事に戻れ!」と
上司に対しても大きな声を出していた。
そして私のほうを振り返り、
「お前だ!お前!非常識だぞ!誰が仕事していいって言ったんだ?
約束が違うじゃないか!どう思ってるんだ!会社に迷惑かけて!」

すかさず総務の人事担当が私の横で規定集を開き
「君の行為はこれに当たる。会社の風紀、秩序を乱すものは解雇もありうる、ここだね?
これについてはどう考えているのかなぁ?」と
にじり寄られた。

心構え

2004年11月2日
渡された書類を一気に仕上げ、階段を駆け上がる。
部屋を出る瞬間、「あ・・・」と声が聞こえたが
置いてくるだけだから、とそのままにした。

なんだろう・・・不安のあまり表情が強張る。
トイレに入り、冷たい水で手を洗い鏡を見る。
これから起こるであろう責めの言葉を
自分の中でシミュレーションし、心を落ち着かせる。

よし、と気合を入れてフロアへ戻った。

やはり、私宛の内線が何度もかかってきていたことを告げられる。
しかも支店長、部長二人から何度も。

意を決して支店長室へ向かった。

私の仕事。

2004年11月1日
久しぶりに見た同じフロアの人たちは
とても好意的に私を迎えいれてくれた。

いつも使っていたノートパソコンが
違和感なく私の机の上に置かれ
にっこりと「ここに置いておきますね」と
優しい言葉をかけられる。

「今日はすぐ帰らないといけないかも知れないので・・・」と
やんわりと断っても
「仕事できることになるかも知れないじゃないですか?」と
またにっこりと微笑まれた。

いつもの机、いつもの居場所。

朝のあわただしい時間、松川さんはもういない。
幹部の帰りを待っていた私に
「至急これだけやってくれ!」と、書類を手渡される。

一瞬迷ったが、断る理由はない。

もしかしたらこれが私の最期の仕事になるかもしれない。

私のしたこと。

2004年10月29日
朝会社へ向かうと、幹部が誰もいない。
久しぶりに出社した私に、誰も声をかけようとしない。

タイムカードを押すこともためらったが
とりあえずいつものように押した。
連絡をしたはずなのに誰も振り返ろうともしない。
応接室にはこうこうと明かりがついていた。

居場所がないということがこんなにツライとは・・・・。

出直そう、と思い
デスクのあるフロアへ向かった。
目覚ましで起されない朝。
時間を気にせず夜更かし。
好き勝手な生活にあれほど憧れていたはずなのに
いざこうしてみるとやはり不安だった。

ニュースでは年金問題、高齢化、不景気。
不安材料が毎日飽きもせず垂れ流されている。

旦那が実家に戻ったことで
私にも決断の時が来たようだ。

会社に電話をし、一旦出社する旨を伝え、
深く、そして大きく深呼吸をして会社へ向かった。

ひとり暮らし。

2004年10月25日
旦那もいなくなり、仕事にも行かない。
一人暮らしとは名ばかりのひきこもり生活が始まった。

実家に電話するも
私があまり実家に頼らず今まで暮らしてきたせいか
一時的な帰宅はいいが、ずっといられては困るとの答え。

ほっとしたような
これからのことを考えるとすべてのことが不安になり、
急に涙が溢れたりする。

不安定な私。

意識すればするほど
どんどん落ち込んでいく。

怖い、苦しい、怖い。

予想外の笑顔

2004年10月19日
旦那が自宅へ帰ること、
私が自宅へその間戻ることを彼に告げると

彼は肩の荷が下りたようにほっとした表情をした。

やっぱりお荷物だったんだな、と
チクリ心が痛くなった。

私にはきっと罰が下る。

彼に対してしてきたこと、

そして 一番は

旦那に対して 私がした事。

箱に私が帰るとき

2004年10月18日
彼の家にもどり、メールをチェックした。
旦那からの新着メールが入っていた。

中をあけると
−今日このまま実家に帰ることになりました。
これからのこともあるので連絡下さい。−
とだけ書いてあった。

自宅に電話をかけると
荷造りしているらしい旦那と話ができた。

自宅療養が必要と診断が出たらしい。
実家に戻って療養するという。

少し時間を置くことも必要かもね、と
二つ返事で家に帰ることを承諾した。

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