酒の威

2004年9月8日
ガツン!という衝撃で目が覚める。
足が重い。目が開かない。
突然の出来事に夢か現実かわからないまま
ぼんやりと浮かぶ影に目を凝らした。

片手にチューハイの缶を持ったまま
表情の窺えない旦那がそこに立っている。
私の足を蹴りながら何か叫んでいる。

「おい!どうせ自殺なんてできないと思ってるんだろ!
できねぇと思ってるんだろ!今からしてやるよ!
何か言い残すことはないか?俺は今から死んでやる!
寝たふりなんかしてんじゃねーよ!」

酔った勢いでふすまやドアを蹴り、
また冷蔵庫からお酒を取り出し、飲み続ける。
薬のせいで酔いが回るのが早いらしく
何度か倒れているようだった。

ふらつきながら寝室に入ると
「おい!俺が寝るんだからあっちいけよ!
嫌味ったらしく先に寝たフリなんかしやがって!
テレビでも何でも見てやりたいようにしたらいいじゃねぇか!」
と、私を揺り動かす。

寝ぼけたまま這うように寝室を出た。

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