鋭い刃

2004年9月29日
「で、いつまでいるの?」
そう言う彼の言葉が私を少しずつ切りつける。

通いなれた彼の家でも
いつものシャンプーやボディーソープじゃないと
なんとなく気持ちが悪い。
基礎化粧品も少ししか持ち出してないことを思い出し、
一旦自宅に帰ることを彼に告げて帰宅した。

自宅に戻りメーターを確認する。
時間は朝の9時過ぎ。普段なら旦那は家には居ない時間。
ドアに耳を付け、生活音を聞き取ろうとする。
メーターの回りも遅い。

そーっとドアを開け、中の様子を窺うと
寝ている旦那の頭が見えた。

「やばいっ!!」

そう思ったがもう遅く、
すでに起き出して走ってくるのが見えた。
震える手でドアを閉め、走り出したはずなのに
すぐに捕まってしまった。

哀願するような視線で見つめられる。

「とりあえずお風呂に入らせて。そこからゆっくり話をしよう」と
そう伝え、服を脱いだ。

私がシャワーを浴びている間、
擦りガラスの向こうに旦那の影がずっとあった。
「逃げないように監視してるつもりなのかな・・・・。」
また旦那の異常性を垣間見た気がした。

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