刺さる視線

2004年11月14日
待合室の空気に耐え切れず
廊下をフラフラ歩いたり、窓の外を見てみたり
私は落ちつかない自分をなんとかなだめようとしていた。

優しそうな顔をした年配の男性が私を呼びに来た。
優しそうと言えば聞こえがいいが
頼りなげな初老の男性だった。

調停室、と書かれた
無機質なドアを開けるとそこには二人の女性が座っていた。
一人は若い女性、もう一人は・・・
仕切りたがりのおしゃべりなおばさんのような風貌だった。

若い女性は書記官のようで
私の話にいちいちうなずきながらメモをとっている。
もう一人の女性の意地悪な質問に
私は必死に感情を押し殺して返事をしていた。

あなた、職場はどこ?
あなたも有名な会社にお勤めで、ご主人も固いお仕事なのね。
収入はどれくらいなの?

などと、興味本位で近所のおばさんに
詮索されているような気がして悔しくて涙が出た。

でも顔はまっすぐ前を向いて話した。
それが私なりの意地だった。

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